「閉院のご挨拶」

このたび諸般の事情により令和6年9月末をもって「お多福もの忘れクリニック」を閉院することになりました。

平成21年10月の開院以来15年になります。微力ですが、地域の認知症医療に貢献できたのではないかと自負しています。

関係の皆様方のご多幸をお祈りし、閉院のご挨拶とさせていただきます。

長い間ありがとうございました。

お多福もの忘れクリニック 院長 本間 昭


管理医師からのメッセージ
もの忘れクリニックを開院しました。
お年寄りやご家族 が安心して受診できる民家型の診療所です。
最近、どうも忘れっぽくなってきたというときに限らず、
何か様子が変だというときにも気軽にご相談ください。
やさしいスタッフがお待ちしています。

本間昭

管理医師 本間昭

日本では1999年に最初のアルツハイマー病の治療薬が発売されました。2011年に新たに3つの治療薬が発売になり、12年かかりましたが、現在わが国では4つの治療薬を用いることができ、国際標準状態になりました。

そのうちの3つはコリン分解酵素阻害薬と呼ばれるもので(商品名:アリセプト、レミニール、イクセロン・パッチ/リバスタッチ・パッチ)、記憶に関係する神経伝達物質であるアセチルコリンを増やすという作用があります。そのため、嘔気や嘔吐、下痢あるいは不整脈などの副作用がある場合もあります。3つとも少量から服用を始めて、副作用がないことを確かめながら、維持量まで増やします。

もう1つ(商品名:メマリー)は過活動状態になっているグルタミン酸の受容体に働き、受容体を正常な活動状態にするという作用があります。アセチルコリンを高めたりする作用はないので、消化器系の副作用はありません。便秘やふわふわする感じ、あるいは眠気などの副作用があります。

4つの治療薬は対症療法薬であり、根本的な治療薬ではありません。アルツハイマー病は進行性に悪化するという特徴がありますが、これらの治療薬の効果は進行するスピードを遅くするというものです。つまり、認知症の重症度が軽度の時に治療を始めればより長く軽度の状態でいられるということになります。今のところ、アルツハイマー病の治療薬を飲んでいると寿命が延びることは報告されていません。このことが事実だとすれば、軽度の状態が長くなれば、その分だけ中等度とか重度の時期が相対的には短くなると考えられます。進行を抑制することが治療薬の本来の効果ですが、場合によっては一時的に意欲がでてきた、自分から進んで庭の草取りをするようになった、会話ができるようになったなどの改善とも考えられる変化がみられることがあります。この効果を治療薬の効果と考えると、一定期間後に治療を始めた時よりも悪化方向に変化がみられると効果がなくなってしまったという誤った判断をしてしまうことになります。

医師の紹介

専門は老年精神医学、認知症、アルツハイマー病と「病」。

昭和49年にわが国で最初の大規模疫学調査に従事。

認知症疾患の疫学、臨床評価などを中心に研究活動に従事。

わが国で最初のアルツハイマー型認知症の診断・治療・ケアガイドラインを作成。

かかりつけ医のための認知症診断技術向上プログラムの作成や地域型認知症予防活動に関わる。

さらに、厚生労働省の研究会や審議会の委員を務めるなど、幅広い活動を行っている。

経歴

1973年 慈恵会医大 卒業
  デンマークオーフス州立細胞遺伝・疫学研究所研究員
  聖マリアンナ医大大学院 神経精神科講師
  東京都老人総合研究所精神医学研究部長
2009年 認知症介護研究・研修東京センターセンター長
2010年10月 お多福もの忘れクリニック開設
  厚生労働省老健局高齢者介護研究会委員、老人保健事業見直し検討委員会委員、要介護認定見直し検討委員会委員、介護予防継続的評価検討委員会委員、地域包括ケア研究会委員などを務めた。

所属学会・資格

  1. 日本老年精神医学会理事
  2. 日本認知症学会理事
  3. 日本認知症ケア学会理事長
  4. 日本老年医学会評議員
  5. 日本老年精神医学会指導医
  6. 日本認知症学会指導医
  7. 日本老年医学会専門医
  8. 精神保健指定医

主な著書(編集・共著含む)
おもな著書は、老年期の精神障害(共著)、高齢者のための知的機能検査の手引き(編著)、かかりつけ医のための認知症診療マニュアル(編著)など。